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創発の経営論的な意味

業績の苦境にあえぐシャープの転換点は、明らかに液晶テレビをめぐる戦略の頓挫にありました。

液晶テレビのすべての生産工程を自社で垂直統合する戦略を掲げ、2004年に稼働させた亀山工場で「世界の亀山モデル」を標榜。この戦略は当時、世間で絶賛されました。2009年には1兆円規模の投資をして堺工場を新規稼働。経営資源を一気に液晶事業につぎ込んだわけです。

ところがリーマンショックで世界的需要が激減し、急速に進んだ円高の影響も多大で、国内工場は輸出競争力を失いました。さらに、安いコストと十分な品質を両立できるようになってきた中国のメーカー等の勢力拡大があって、シャープの業績は坂道を転げ落ちていったわけです。

この話で僕は、シャープの非を云々したいわけではありません。絶賛された優れた戦略が短期間に市場環境の変化で、最悪の戦略に変わってしまう。そんなことがフツーに起きえる時代だと言いたいだけです。

先のことまである程度、予測可能な時代には、トップや企画集団を中心に合理的な思考を積み重ねれば、有効な計画がしばらく成立する状況がありました。しかし、いまはVUCAな時代=Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity (気まぐれで、不確か、込み入っており、あいまい)と言われています。

そこに、創発の考え方や実践が生きる余地があると、僕は考えています。

未来を予測することは虚しいと言わざるをえませんが、組織の一人ひとりが直面する環境変化を自分の頭と体を使って捉え、それぞれの実感をぶつけ合うことで、未来をひらく意志を仮説として持ち、試行・検証していくことはできるはず。

僕がクライアント企業の同志たちと一緒に取り組んでいるのも、まさにそのような挑戦です。最近、コニカ・ミノルタ等、一部の大企業がベンチャー企業の「スタートアップ」的な経営から必死に学ぼうとしているのも、上記のようなビジネスの文脈に沿ったものとみることができるでしょう。
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プロフィール

野口 正明

Author:野口 正明
一人ひとりの想いや行動が、縦横無尽に重なり合うことで、その総和を超える圧倒的なエネルギーや結果が生まれるという“創発”にかかわり続けることがライフワーク。

国内大手食品企業で商品開発、生産管理、人事の仕事を経験後、外資系企業HRマネジャーに転身。2006年より㈱スコラ・コンサルト プロセスデザイナー。

地域コミュニティでも創発を広げるため、自然とアートに恵まれた里山・藤野(神奈川県)へ2013年末移住。特定非営利活動法人ふじの里山くらぶ理事。日本アーツビジネス学会事務局長。

1965年福岡県生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒業。

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