FC2ブログ

記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

サンチアゴ巡礼路を歩いて(6)

この巡礼記、全7回にてそろそろ区切りにしたいと思います。さて、経済の話になりましたが、少しかかわりのあるところで、考えさせられた人物のことを取り上げます。

出会った人の中で、特別な影響を受けた「2人」がいるというお話をしました。一人は、無銭で友犬と旅を続けるデニス(第2回でご紹介)。もう一人のことです。

彼の名はダビデ。巡礼路には、だいたい5、6キロ歩けば、ちょっとした休憩をとれるカフェやバルが点在しているのですが、歩き始めて3日目、まだペースのつかめていない中、歩けど歩けど延々と赤土の道が続く状況になりました。のどもカラカラ、おなかもペコペコ。

そこにいきなり出現したのが、おいしそうな果物やジュースやクッキー等をたくさん乗せた屋台と、手をいっぱいに広げて歓迎してくれる40歳くらいの男性でした。ホントか?あまりにタイミングがよすぎるし、最初はぼったくりではないか?とさえ疑ってしまいました。

でも話していると、6年前まではバルセロナでビジネスマンとして忙しい生活を送っていたが、“ライフ”にもっとかかわる仕事がしたいと、ここに移り住み、電気もガスもない生活をしながら、巡礼者たちに無料で飲み物や食べ物を提供し、ひと休みしてもらうことを楽しみに毎日続けているとか。

別れ際に、彼の心からホスピタリティに感激して、ドネーションさせてほしいと言ったら、「無理にすることはないからね。してくれるなら、そこに小さな箱があるんだけど・・・」

とても控えめに置いてあり、見つけるのも苦労するくらいでした。「対価」ではない、心からのお礼をお金に込めて、「投げ銭」しました。こういうのはいわゆる「贈与経済」に近い世界だと思いますが、頭での理解でなく、こういう幸せな体験を伴うと、何か実社会にも応用できないものかと考えてしまいます。

“Camino has everything.” 

ダビデから聞いた言葉の意味が、そのときはよくわかりませんでしたが、巡礼のプロセスを経るうちに、「くうねるあるく」だけのシンプルな営みの中にも、幸せであるために必要なすべてはあるということがわかるようになってきました。



camino_davide.jpg
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

野口 正明

Author:野口 正明
一人ひとりの想いや行動が、縦横無尽に重なり合うことで、その総和を超える圧倒的なエネルギーや結果が生まれるという“創発”にかかわり続けることがライフワーク。

国内大手食品企業で商品開発、生産管理、人事の仕事を経験後、外資系企業HRマネジャーに転身。2006年より㈱スコラ・コンサルト プロセスデザイナー。

地域コミュニティでも創発を広げるため、自然とアートに恵まれた里山・藤野(神奈川県)へ2013年末移住。特定非営利活動法人ふじの里山くらぶ理事。日本アーツビジネス学会事務局長。

1965年福岡県生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒業。

カレンダー

11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カテゴリ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。